立ち読みコーナー
目次
264ページ
伯爵さまのシノワズリ ~花嫁と薬箱~
序章  花嫁と薬箱       5
第一章 異国の淑女       14
第二章 魔女の悪名       70
第三章 賢い女         159
第四章 義弟の陰謀       207
第五章 夫婦の愛        225
終章  幸福を抱きしめて    255
あとがき            259
59ページ~
「あ、れいじょう……、の……?」
 掠れた声で、雪麗は問うた。ああ、とヒューバートはうなずく。その表情に、淫猥な影が宿ったことに雪麗は気づく。ぞくりと背を走ったのは、この先を期待する予感だった。
「雪麗」
 彼は名をささやいて、くちづけてくる。重ねてくるだけのキスにはもう慣れたつもりだけれど、それでもやはり緊張する。彼は下肢で手を動かし、そして雪麗の腿の裏に手をやると、大きく拡げさせた。
「や、ぁ……、っ……、っ……、っ!?」
 両脚の間に、ヒューバートの体が入ってくる。腰を押さえられて身動きができずにいると、先ほどまで彼の指が触れていた濡れた花びらに、熱いものが押しつけられる。
「なに……、な、に……、……?」
 ふっと、ヒューバートは笑った。熱いものは花びらをかきわけ、入ってくる。
「っあ、あ……、や、ぁ……、っ、……!」
 それは、垂れ流れる蜜に助けられてぬくりと入ってきた。押し拡げられる感覚。圧迫感を感じたのは、それが入り込んでくるとき。異物感に雪麗は息を呑み、しかしゆっくりと動く彼が、精いっぱいの誠意を見せているということに気がついていた。
「は、っ、……、っ……」
 それは、彼が吐く息が今までになく荒かったせいかもしれない。一気に突きあげたいのを堪えているといったような慎重な動きは、雪麗に彼に大切にされているという実感を得させた。
「や、ぁ……、っ……ッ……、っ……」
 それでも圧迫感はどうしようもなくて、雪麗は呻く。熱いものに体を侵蝕されていく感覚。慎ましく口を閉じていたところが拡げられて、男の欲望を呑み込む刹那。
「ああ、あ……、っ、……、ぁ、……」
 ずくん、と体中に響いた場所があった。その瞬間だけは裂かれるような痛みがあって、しかしそれはすぐに、溢れる快楽に塗りつぶされる。
 奥深いところを突かれると蜜がどくりと溢れて、侵入が容易になった。すると蜜洞を擦られる感覚はますます鋭くなって、雪麗はぴりぴりする痛みと、敏感な部分を擦られる快楽を得る。
「やぁ、あ……、ああ……、っ、……、っ……」
 ヒューバートの逞しい体に抱きついて、雪麗は脚を引き攣らせた。すると挿入はますます深くなり、自分の指すら届かないであろう場所を彼の欲芯が突く。
「いぁ……あ、あ……、っ、……、っ……」
 深い部分を抉られて、雪麗は泣いた。痛みはまだ残っているような気もしたし、迫りあがる快楽に上書きされてしまったようにも思う。あまりの圧迫感に雪麗の呼気はだんだんと途切れ、息が苦しい。胸が熱い。それ以上に、体の中にたまらない快楽がある。
「っあ、あ……、っ、……ヒューバート、さま……、」
 彼の名を呼ぶと、くちづけされた。いきなり押しつけてくる、乱暴なキスだ。しかしそれが奇妙に心地よくて、雪麗は自分からも求めた。お互いの唇を吸うと、そこから新たな快楽が流れ込んでくるような気がする。
「ああ、……っあ、……ああ、あ……、っ……」
 内壁は、蜜を流しながら彼を受け入れる。じゅく、じゅくという淫らな音があがるたびに快楽は増し、雪麗は我を忘れて喘いだ。
「い、……ぁっ、……、っ……、っっ……!」
 いつの間にか雪麗の脚はヒューバートの下肢に絡み、もっとと促すように力を込める。すると挿り込んでくるものはより熱量を増し、雪麗の体を抉ってくる。
「は、ぁ……、あ、ああ……、っ……」
 これ以上は、苦しい。雪麗が限界を感じて体を震わせると、ヒューバートも息を吐いた。唇にかかった吐息は熱く、彼もまたこの行為に夢中になっていることがわかる。
「ヒューバートさま、も……、っ……」
 掠れた声で、雪麗は訴えた。
「も……、れ、じょ……、っ……」
「ああ」
 彼は、同調したようにうなずいた。ぐっと腰を突きあげられて、するとぴりっと走る痛みがあったけれど、すぐに快楽がそれを上塗りする。
「は、ぁ……ん、……、っ……、ッ、……、っ……」