立ち読みコーナー
目次
240ページ
身売り花嫁 〜嵐の貴公子に囚われて〜 ……5
あとがき               ……228
(36ページ〜)
「ならば、俺を選ぶといい」
「ウィリアム……様?」
 シャーロットが長い睫毛を震わせて瞼を上げると、彼の強い眼差しとぶつかった。
「こんな想いは初めてだ……あなたを諦めるなんて、俺にはできない」
「ですが……わたし……」
 熱を孕んだ瞳で見つめてくるウィリアムが、シャーロットの腕を引く。
「きゃっ……」
  麗しい見た目からは感じさせない力強さで、シャーロットを包みこんでしまう。
「俺を選ぶと言ってくれ、シャーロット」
 情熱的に訴えてくるウィリアムが、強く抱き締めてくる。
 驚きのあまり声すら失って身を固くしていると、ウィリアムの手が頬に触れた。
「シャーロット……」
「んッ……!?」
 顔が傾けられたかと思うと唇を塞がれる。ウィリアムからの口づけに、シャーロットは驚愕して大きく目を見開いた。
「い……いけません……っ」
 だが、すぐに口づけを解いて拒絶する。
 彼の腕の中からも逃げようとすると、ウィリアムの大きな手がシャーロットの後頭部を捕えた。
「無理を強いるのは本意ではないが……あなたを誰にも渡したくない」
 情熱的な告白を拒む間もなく、シャーロットの唇が再び塞がれた。
 唇が深く重なり、食むように口づけられる。震える薔薇色の唇を割って、ウィリアムの舌が口腔内へと差しこまれた。
「んんッ!?」
 口づけも初めてなのに、まして舌を入れられるなんて……シャーロットにしてみれば衝撃だ。
 驚きと怯えで縮こまったシャーロットの舌を引きずり出すように、ウィリアムの舌が絡みついてくる。
 くちゅ……と唾液が絡む音が、真っ白になっていたシャーロットに意識を取り戻させた。
「ンーッ!!」
 ウィリアムの肩を押して拒絶を示すが、彼の身体はびくともしない。それどころかシャーロットの抵抗を封じるように、いっそう深く口づけてくる。
 強引に搦め取られた舌が円を描くように弄ばれたかと思うと、裏側を根元からそろりと撫で上げられる。鈍い痺れが走って、頬から胸の辺りの筋肉を強張らせた。
 シャーロットが唇を閉じることすらままならないのをいいことに、彼は口腔内を蹂躙してくる。
 舌先で歯列をなぞり、頬の内側を撫でてくる。上顎をくすぐられると、うなじの辺り震えてシャーロットの滑らかな肌を粟立たせた。