立ち読みコーナー
目次
320ページ
恋の媚薬は紫の薔薇の香り〜意地悪魔法使いと伯爵令嬢〜       5
あとがき                             311
217ページ〜
「今、私たちは夫婦の営みというものの予備の段階だ。アリーが私を受け入れやすいように身体を馴らしている。さっきから私がしているのは、そういうことだ。そして、私たちが初夜の契りを交わすためには、この下着は邪魔だ。理解できるな?」
 まるで、魔法について講義していた時のように明快な説明だった。
「ええ……でも……」
 理解はできるが、恥ずかしさはどうしても拭えない。サフィールには羞恥という感情が理解できないのだろうかともどかしい。腰に引っかかっていたドロワースを、サフィールは先刻よりずっとやさしく下ろそうとする。だが、何もかも初めてのアリソンには腰をずらして下穿きを脱ぎやすくするなどの機転は利かなかった。だから、結局腰を高く持ち上げられると、局部をサフィールの目の前にさらけ出すような恥ずかしい姿になってしまう。
「あっ……いやぁ……」
 これが夫婦になる試練ならば、嫌だなどと言うまいと思っていたのに、あまりのショックに悲鳴を上げてしまった。そのまま、内腿の柔肉を押し広げられて、後ろの蕾が見えるほど大きく足を開かされると、慎ましやかに閉じていた一筋の線が左右に割れて、花びらの奥に潜む熱く潤んだ乙女の花園がサフィールの目の前に暴かれてしまう。
「うくっ……見ないで……」
 アリソンが羞恥のあまり小さな声でしゃくり上げると、サフィールは静かに目を伏せた。
「わかった、見ない。だが、目を瞑って、舐めるのなら構わないだろう」
「えっ?」
 次の瞬間、サフィールが女の蜜が滴る股間に顔を埋めるという、想像を絶する行為にアリソンは驚愕した。濡れた舌で熱心に秘裂を舐め上げ、美味しそうに音を立てて愛蜜を啜り上げている。こんな淫らな行為は王子様がすることではないし、せっかくの美形が台無しである。アリソンは激しく首を横に振った。
「や……ぁ……」
「舐めるのが嫌なら、見せるか?」
視姦するように淫らに絡みつく視線に、アリソンはわなないた。
「どっちもいや!」
 アリソンは瞳を潤ませながら、ふるふると首を振った。
「どうして、そんないじわるばっかり……」
「アリーの恥じらう姿が可愛いから、もっと見たくなってしまう」
 相も変わらず真顔だが、声はひどく甘ったるい。
「なっ、ななな!」
 ぼっと頬が火照ったのは、サフィールの睦言のせいなのか、身体を貫く快感のせいなのか、もはや見分けがつかない。サフィールは蜜と唾液で濡れた舌先で、肉唇の上にちょんと突き出ている敏感な肉芽を責め立てる。
「んんっ」