立ち読みコーナー
目次
296ページ
プロローグ                  5
◆1 皇帝陛下の花嫁候補           9
◆2 元帥閣下に奪われて           31
◆3 淡い初恋の記憶と淫らな妃教育      95
◆4 惑乱                  131
◆5 残虐な皇帝と歪んだ愛          165
◆6 明かされた真実             216
エピローグ                  255
あとがき                   286
47ページ~
「いや、いやよ……やめてっ……私の身体には……何もないわ……貴方に触れられる筋合いはないわっ……!」
 いやいやと抗っている間にも、ヴァレリーの濡れた舌はミリアンの鎖骨から胸の膨らみへと下りてきていた。そして彼の手が薄いドレスの布越しにぷつりと膨れ上がった乳房の先をつうっとなぞり上げてくる。鋭利な針にでも刺されたかのような衝撃と共に甘美な快楽に襲われ、ミリアンは背中を仰け反らせ、必死につま先でリネンを蹴った。
「あっ……ぁっ……やめて、さわら、ない……でっ」
 コルセットを身に着けていない夜着の上で、小さな形を露わにしていた粒がさらに隆起し、男の指にきゅっと挟まれ、ミリアンはたまらず腰を浮かせる。
「ああっ……そこに触れないでっ……」
「なぜです? この中にやましいものでも?」
 布越しにこりこりと擦りつけるように頂を嬲られ、ぎゅっときつく摘ままれる。
「ひっ……ぁあっ……やましいものなんて、ないわ……」
 ヴァレリーは一向にやめない。物珍しい果実を愛でるかのように指を這わせ、執拗に指の腹で挟んだり転がしたりしてミリアンの様子を眺めながら弄ぶ。さらに舌先でツンと突起を弾いた。
「あん!」
「この硬いものはなんです」
「は、ん、しら、ないわ……ぁ、……やめ、……て」
「知らない? 貴方が身につけているものでしょう? 私に確かめろと言うんですか」
「ちがうわ……女性の……身体の一部よ……わかっているでしょう?」
 涙が滲んだ視界の中に、満足げに見下ろすヴァレリーの様子がちらちらと見えて、ミリアンは屈辱で唇を嚙んだ。
 ——私は皇帝陛下の妃にならなくてはいけないのに。