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猫かぶり殿下の執着愛 5
あとがき 284
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「優しくするから……ちゃんと、これからずっと大切にするから……だから、俺を受け入れてくれ、エミリア」
「ルーファス……」
今までずっと大変な暮らしだったであろうルーファスが、こんなに懇願している。それは十分にエミリアの胸を打った。
抵抗しなければ、という心がエミリアの中から消え、身体の力がふっと抜けた。
それを見逃さないかのように、ルーファスは内腿を伝う指を上に動かし、秘所をそっと手の平で覆った。手はそのままゆるく押し当て、薄いナイトウェア越しに胸にキスをする。唇を柔らかな胸に這わせた後、胸の先端をゆっくり舐められた。
「んっ……」
尖った舌先で、ピンと勃った胸の突起を弾くように舐められると気持ち良くて声が出てしまう。そして、やはり下腹部が疼く。
でも、ルーファスはゆっくりと宣言した通り、急ぐつもりはないようだ。襞の上からそっと触れているだけの手の平は其処に何も愛撫をしてくれない。
襞の内側を触れられると、信じられないほどの快楽を得られると、エミリアの身体は知ってしまっている。知らず知らずのうちに、エミリアは熱い吐息を漏らしながら腰を突き上げるように動かしていた。
優しく触れられるだけじゃ、我慢出来ない。もっとちゃんと触ってほしい……。
けれど、ルーファスは襞に触れていた手をすっと避けてしまった。発散出来ない熱と疼きが残される。
エミリアが思わず切なげなため息を吐くと、ルーファスは楽しそうに囁いた。
「ちゃんと最後まで気持ち良くさせてあげるから、今はゆっくり、俺に任せて」
「ん……」
ゆるゆると肌を撫で、唇で触れられる。普段はなんてことのない、二の腕や腿まで彼に撫でられると今は酷く感じてしまっていた。
既に身体中のどこもかしこも敏感になって、ルーファスに愛撫されることを待ち望んでいる。
だがルーファスはわざと焦らしているかのように、なかなか肝心なところに触れてくれない。
さっき胸の先端にキスしてくれたがそれもすぐに止めてしまい、其処を避けて周囲に舌を這わせている。それも、ナイトウェアの薄布越しにだ。
「はぁっ、んっ……」
もう、前に教えられた気持ち良くなるところに触れてほしい。こんなに中途半端な状態のままはやめてほしい。苦しいまでにどうにも出来ない快感に、エミリアは眉根を寄せシーツをぎゅっと握った。
それを見てルーファスはエミリアの額に優しいキスを落とした。
「力を抜いて、エミリア」
「だって、こんなの……」
ルーファスの手が内腿に触れ、そこから上に指を滑らせまた襞に触れようとしている。
何を言われたわけでもないのに、エミリアの足はひとりでに開いていった。もう下着は濡れてぐちょぐちょになっているし、薄い生地のそれは蜜が染みて透けた状態になっているだろう。
でも、ルーファスは何も言わない。そして、襞の外側をするりと撫でて下着の縁をなぞるだけで膨れて存在を主張している花芯に触れてくれない。
「っ……ルーファス……」
「此処に、触れてほしい?」
そう言って、ルーファスはほんの少し、触れる程度の力でそっと敏感な尖りの上に指を置いた。
「っ……」
声が出そうになって、エミリアは歯を食いしばった。こんなに軽く触れられているだけでエミリアの蜜は益々溢れる。もっと、ちゃんと触って撫でてほしい。