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盗賊王の純真 ~砂宮に愛は燃える~
第一章 5
第二章 53
第三章 81
第四章 138
第五章 181
第六章 252
終 章 290
あとがき 309
161ページ~
「話は終わった。続きをする」
「そんな」
「——今は二人きりだ。もっと声をあげろよ」
「で、でも、外よっ……」
「だが、俺はおまえが欲しい……わかるだろ?」
太ももに擦りつけられる熱の塊の存在に否応(いやおう)なく、反応してしまう。
「どうなってる?」
「ん……すごい、わ」
掠れ声が漏れる。
「それだけか?」
「か、……硬くて、び、びくびく……してる」
(私、なんてはしたないこと、言っちゃってるの?)
しかし彼の声が耳に染みると、言わずにはいられなかった。
男性のシンボルから溢れ出るものが太ももへ執拗に擦りつけられている。
「ネーシャ。俺はおまえを想ってこうなっているんだ。それを無下にしないでくれ」
そう迫られては彼を押しのけることはできない。
熾火(おきび)だったはずのものは激しく火の粉をあげる情炎へと変わり、ネーシャを灼(や)きつくさんばかりなのだ。
「背を、向けてくれ」
「こ、こう?」
近場にある岩に手をつく。
「尻をもっと……」
腰のくびれを掴まれ、ぐっと引き寄せられる。
まるで四つ脚の動物の真似をさせられているようで、ただ戸惑う。
「おまえの尻はすべすべして、形も綺麗だ」
お尻をすべる指先のくすぐったさに身をくねらせる。
「や、やめて、恥ずかしいっ……お尻なんて」
少し大きめな柔丘はネーシャの気にしているところでもあった。それでもアティルは自分の思うがままに指を食い込ませ揉んでくる。
「俺は魅力的だと思うぞ。大きな尻は」
「アティル……!」
恥ずかしすぎるあまり声をあげると、「わかったわかった」と苦笑するような声がかかる。
「そんな焦るな。せっかく二人きりなんだ。もっと愉しみたい」
「も、もうっ……」
まるで自分のほうがより淫らに昂ぶっていると言われているようだ。
「やぁっ……!」
不意に敏感な場所に外気を感じて、ぶるっとしてしまう。
「あぁ、美しい色だ。それに、蜜でぬるぬる、だ」
媚唇(びしん)を開かれているのだ。
まるで粗相でもしてしまったかのようにぐっしょりと濡れそぼってしまっていることは嫌というほどわかっていた。
「いや……っ、そんなところ、見ないで!」
「まるでルビーのように輝いている。俺だけの宝玉だと思うと、誇らしい気持ちになるな」
「人の話を、聞いてっ」
「なぜだ。おまえは俺のためにこんなにも濡れてくれているんだろう?」
「恥ずかしいの! そんなところ、み、見られていいものじゃないっ!」
舌先がずぷずぷとめり込まされる。
「はあっ、あ、ああっ……ん、ぅっ……!」
総毛立ち、悶え声が口を割る。