- 目次
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プロローグ 5
第一章 凍てついた花嫁 24
第二章 吹雪の初夜 66
第三章 無力な聖女 97
第四章 蜜味の菓子 132
第五章 小部屋での過ち 167
第六章 青い花の約束 205
第七章 不穏 237
第八章 大教父ダニル 265
エピローグ 氷獄公の最愛 306
あとがき 316
192ページ4行目~
─こ、こんな場所で……いけない……。
最後の理性でマクシミリアンの胸を押し返すと、ようやく唇が離れた。
「打ち合わせなんてどうでもよくなってきた。続きがしたい」
「だ、駄目ですっ、またラスカーさんたちが呼びに来ますから」
ソフィーヤはそそくさと身体を離し、慌てて美しい外套を脱いで棚に戻した。
「外套を貸してくださってありがとうございます。わ、私、先に部屋に戻りますね」
ソフィーヤは早足でマクシミリアンの傍らをすり抜けようとした。
二人っきりでこんな場所にいては駄目だ。なんだか、正しくない振る舞いをしてしまいそうで……。
だが逃げ出そうとしたソフィーヤの腕はマクシミリアンにあっさりと捕らわれてしまった。
「……行かせない、まだ続きがある」
「え……っ……」
マクシミリアンの手が、スカートの中に潜り込む。
「な……っ、駄目……っ……」
ソフィーヤは声を震わせた。ここは衣装室だ。誰でも気軽に覗ける。
「何が駄目なんだ。今すぐ抱きたい。見慣れたリクドーヴナの衣装を着せて、はっきりわかった。貴方は、俺の知る限り世界一の美女だ。その美しさで俺の理性を一撃で溶かした」
ソフィーヤの身体がかるがると持ち上げられ、何かの箱の上に立たされた。
─何を……?
戸惑うソフィーヤの左足が持ち上げられる。緩い下着がずらされ、隠されていた茂みがむき出しになった。
「きゃ……っ!」
悲鳴を上げそうになり、ソフィーヤはとっさに声を呑み込む。
「衣装一つであんなふうに変わるのか。いつもの地味な服も可愛いが……本当に、雪の中に置かれた焚火のように鮮やかで美しかった」
「やめて……駄目……」
だが、抗ったのは口先だけだった。
ソフィーヤの身体はマクシミリアンのなめらかな肌に馴染み、刻み込まれる快楽を覚え始めているからだ。
「肩に掴まれ」
焼けるように熱い頬を持て余しながら、ソフィーヤはおそるおそる肩に手をかけた。
膝の裏に手が回り、ぐいと足を持ち上げられる。あらわになった蜜口が、冷たい外気に触れて収縮する。ソフィーヤは羞恥のあまりうつむいた。
─私の……馬鹿……っ……。
「もっとちゃんとしがみつくんだ」
マクシミリアンに言われるがままに、首筋にしがみつく。まだ彼のほうが背が高いが、右足一本では箱の上に立っていられない。
マクシミリアンと身体を密着させると、長いスカートの前をたくし上げられた。
片足を上げ、下着をずらされて無防備になった裂け目に、マクシミリアンの指先が触れる。右腕にソフィーヤの足を抱え込み、左手で秘部をまさぐりながら、マクシミリアンがむさぼるように口づけてきた。
必死で嬌声をこらえながら、ソフィーヤは背を反らして唇を受け止める。
身体を支える右足がガタガタと震え出した。持ち上げられた左足のつま先も、靴の中でひくひくと震える。
ソフィーヤの耳にかすかな蜜音が届いた。二本の指で閉じ合わさった秘裂が開かれ、熱い愛液をしたたらせる。
「可愛い反応だな、触ると、いつもこうやって俺の指先に絡みついてくる」
唇を離して、マクシミリアンが呟く。
ほぐすように繰り返し花びらを開かれて、ソフィーヤの唇からかすかに声が漏れた。
「いや……だめ……だめぇ……っ……」
マクシミリアンの肩に額を押しつけ、ソフィーヤは小さな声で抗った。
こんな場所で快楽に流されてしまうなんて、あってはならないことなのに……。
だがマクシミリアンの指は止まらない。柔らかな泥濘に、長い指がずぶずぶと沈み込んでいく。
「ん……っ……」
こんな状況なのに、指先で弄ばれるたびに、そこは喜びの雫を溢れさせる。
「ああ、いい反応をしている。ここも触るだけで膨らんでいるのがわかるぞ」
いやらしい音を立てて指が抜かれ、ぷくりと立ち上がった花芽に触れた。
「ほら、どうだ?」
足の間に、耐えがたいほどの刺激が走る。下腹部がうねり、内股にぬるい蜜が伝った。
「……あ……あ……」
右足の力が抜けそうになり、目に涙がにじんだ。
不自由な姿勢で逃げられない。吐き出す息が熱くなってくる。
「挿れるぞ」