立ち読みコーナー
目次
320ページ
プロローグ               5
第一章 公爵家の居候          20
第二章 恋してはいけない人       53
第三章 小舟に乗って          81
第四章 愛は麻酔のように        112
第五章 花は日陰で咲けない       200
第六章 ロンサンヌ公爵の鉄槌      247
第七章 公爵は愛しき乙女に愛を乞う   273
エピローグ               307
あとがき                313
「ああ、君はどこもかしこも綺麗で可愛いな」
 リュシアンの声がうっとりした響きを帯びる。
「な、なにを……そんなところ、さわっては……だめ……あん……っ……」
「触りたい。生涯君以外の女性には触れないと誓うから、どうか許してくれ」
 リュシアンはクロエの膝裏に手をかけ、ぐいと持ち上げた。片脚を屈曲させられ、ますます隠したかった場所が丸見えになる。
「あ、あ……」
 もう、震えることしかできなかった。恥ずかしくてお腹が熱くて、足の間の淫らな場所にリュシアンの視線を感じて、頭が真っ白になる。
「可愛いな、こんな綺麗な桃色で」
 丸出しになった裂け目を繰り返し指先でなぞりながら、リュシアンがうっとりと呟く。耐えられなくて、クロエはぎゅっと目を瞑った。ここに触ることが愛し合うことなのだろうか。恥ずかしくて本格的に泣いてしまう前に終わりにしてほしい。
 そのとき、拳を口に当て、嬌声をこらえていたクロエの身体に衝撃が走った。
「きゃぁぁっ!」
 ぬるついた小さな孔に、指が沈み込んだからだ。
 あまりの衝撃に、膝頭が震えているのがわかる。こんな場所を視線にさらしているだけでも耐えがたいのに、指を入れられてしまうなんて。クロエは必死に腰を引こうとしたが、足を掴まえられていて逃げられなかった。
「あ……あ……そこ……だめぇ……」
 硬く尖った乳房の先にひやりとした夜の空気が触れ、そこがきゅっと縮んだ。
 リュシアンの指がくちゅくちゅと音を立てながら、あられもない場所を行き来する。裂け目が蠢き、ひくひくと口を開けたのがわかった。
「狭いな、俺が入れるようにほぐさないと」
 涙が溢れ出す。自分の息が、火のように熱い。リュシアンの指が粘膜を擦るたびに、その場所から熱いものが湧き出して、とろとろしたたり落ちるのがわかった。
「い、いや……はずかしい、もう、ゆるし……あぅ……っ……」
 ちゅく、という音を立てて、リュシアンの指が中でわずかに曲げられた。火照ったクロエの身体は、ただそれだけの刺激でびくんと跳ね上がる。弱々しく敷布を蹴り、歯を食いしばって、クロエはリュシアンの意地悪に耐えた。
 リュシアンが、指で秘裂を弄ぶのをやめ、身を乗り出してきた。唇に接吻されたクロエは、下腹に触れる熱い昂りに気づいて薄く目を開ける。
「俺のも触ってくれ、男は、愛しい相手に触れるとこうなる」
 クロエは言われるがままに手を引かれ、その熱塊に指先で触れた。
 たちまち、ただでさえ熱かった顔が沸騰しそうなほどになる。
 何をされるのかようやくわかったからだ。
 繁殖期の羊のことを思い出した。
 人間も、同じように番い、同じように繁殖するのだとやっとわかった。
 クロエは真っ赤な顔で、触れた熱い杭をそっと撫でた。思っていたよりなめらかで、愛おしい感触だった。クロエの指先が表面を行き来したとき、リュシアンがごくりと息を呑む音が聞こえた。
「……ありがとう、もういい」
 いつも冷静なその声は、荒い息で乱れていた。
 クロエは涙に濡れた目で、リュシアンを見上げる。彼の端整な顔が近づき、クロエに口づけた。いつもはコローニュの香りがする唇はかすかに汗の味がして、塩味を感じた刹那、クロエの下腹がひくりと波打った。
 再び身体の芯が熱く火照り始める。クロエは落ち着かずもじもじと身体を動かす。
「これをこうして、君の中に……苦しかったら言ってくれ」
 先ほどまで触れていた熱杭の先端が、クロエの開いた脚の中心にあてがわれる。
 やはり、何をされるのか怖くて……それでも、肌を合わせているこの状況は、不慣れなクロエの思考をじりじりと溶かしていく。
 女は、愛しい男にこうやって抱かれるのだ。そう思った刹那、クロエの身体が、逞しい杭で力強くこじ開けられた。
「……あ」
 クロエは思わず枕を掴む。身体中に不自然な力が入り、強ばった。
 ─こんなの、入らない……どうしよう……。