立ち読みコーナー
目次
312ページ
プロローグ 黒い館の赤い檻    5
一  反逆者の娘         14
二  屈辱の条件         31
三  三人での初夜        46
四  はかない抵抗        68
五  さまざまな人生       85
六  それは光明か        112
七  深い記憶          133
八  悲しい反逆         180
九  決断            229
十  決着            259
十一 愛と力           285
あとがき             308
 口づけられた。最初の日、貪るように奪われた口づけとは違う感触。
 優しく、甘い接吻だった。
(博文様)
 彼の思わぬ繊細な行為に麗杏は混乱する。
(あなたはいったい、どういう方なの)
 女を責めさいなむ極悪人のはずなのに、どうしてこんな優しい接吻をするのだろうか。
 本当の彼はどちらなのか。
「博文様」
 麗杏が吐息と共に呟いた時、彼の腕がさっと離れた。力の抜けていた体は縄に引っ張られてがくんと吊り下がる。
「あうっ」
 腕を引っ張られた麗杏は呻き声を上げる。博文は冷静な声で命じた。
「そのまま縄を少し下げろ、私の上に下ろすのだ」
 彼は布団の上に仰臥すると、前をはだけた。腹の上に濡れ濡れとした男根が起立している。
「承知しました。麗杏様、博文様をまたいでください」
麗杏はふらつく足で彼の胴をまたぐ。すると腕を吊っていた縄がじりじりと緩んできた。
「ああ……」
 腰をゆっくりと下ろす。すでに真珠でたっぷりほぐされていた秘肉はずぶずぶと男を飲み込んでいった。自分で自分を突き刺す感触に麗杏は懊悩する。
(どうしよう)
 すでに自分の体は押し拡げられることに快感を覚えている。彼のもので奥の奥まで貫いてほしい、そう願ってしまっている。
「私もお手伝いします」
 一楉が麗杏の背後に周り、後ろから胸を揉む。乳首を縛られて敏感になっている肌は彼の細い指で弄ばれてさらに燃え上がる。
「ああ、一楉様、許して……!」
 麗杏は体をくねらせて抵抗するが、両手を縛られたままの形ではなすすべもない。
「もっと、深く埋めろ」
 仰向けになっている博文は麗杏の裸体を眺めながら冷たい声で命じた。その顔を麗杏は恨めしそうに見返す。
「手が……痛くて」
腕はすでに限界まで伸びていた。それ以上腰を下ろそうにも天井から吊るされた縄が彼女を引き留める。
「一楉、縄を緩めろ」
 博文が命じると、後ろにいた一楉が赤い縄を調節した。天井からの縄が少し伸び、麗杏の腰が下へ落ちる。
「あああっ」
 陽物がさらに体の奥深く入り、彼女は呻いた。白い肌が赤く染まっている。
「いいぞ、お前の中が喜んでいる……一楉、もっと喜ばせてやれ」
「はい」
 一楉は再び背後から乳房を持ち、赤い糸に縛られた乳首の先端を擦った。麗杏の全身がかっと燃え上がる。
「ああ、駄目……」
 下から突き上げられながら同時に胸を愛撫される、自分の体内が勝手に収縮するのがわかった。
「もうすっかり淫婦になったようだな」
「そ、そんな、あ、ああっ」
 麗杏は一瞬眉根に皺を寄せ、苦痛を訴えた。だが一楉の指がぷっくりと膨らんだ乳首をそっと摘まむと、快楽に喉をのけぞらせる。
「あうっ」
 陽物をしっかりと咥え込んだ花弁はそれをさらに引き込むように何度も痙攣した。太い肉茎に淫蜜がねっとりと絡みついている。
「気持ちいいだろう、私に抱かれて、奥を犯されるのがたまらないだろう。父の仇である私のものになった気分はどうだ」