立ち読みコーナー
目次
272ページ
序章                5
第一章 約束と忘却         6
第二章 失われた思い出       41
第三章 衝撃            82
第四章 うたかたの旋律       129
第五章 真実の行方         166
第六章 ずっとあなたを愛していた  210
最終章               260
あとがき              264
「……お願い、もう……許して」
 ユリアーネは顔を背け、弱々しく懇願する。
「許して?なぜだ?」
 エーベルハルトの青い目は、なにかに取り憑かれたように据わっている。彼はユリアーネの両手を掴んだまま、もう片方の手でゆっくりと身体をまさぐってきた。
 薄物の上から乳房を掴まれ、ユリアーネは恐怖で凍りつく。
「やあ……っ」
 必死で身を捩るが、力を奪われた身体はほとんど動かせない。
 エーベルハルトの大きな手が、ねっとりとまろやかな乳房を揉みしだく。
 節くれだった男らしい指が、ざらりと乳首の頂に触れた刹那だ。
「っ─ひ……?」
 むず痒いような甘い疼きが下腹部へ走った。
 ユリアーネは思わず腰をびくりと浮かせた。
「ここが、感じるか?」
 ユリアーネの反応に気をよくしたのか、エーベルハルトは指先で乳首をくりくり擽り、指の腹で触れるか触れないかの力で撫でてくる。
 みるみる、薄物を押し上げて、乳首が凝って尖ってくるのがわかる。
「や……やめ……あ、やめ……て」
 指先が乳首を掠めるたびに、淫らな疼くような感覚が、身体の奥のどこかをきゅうっと甘く痺れさせた。それはやがて、自分の恥ずかしい箇所をせつなくさせているのだと、気がつく。
「……ぁ、あ、だめ……触らないで……ぁあ、ぁ」
 感じたことのない妖しい悦びが、下腹部に広がっていく。
 なにかもどかしいような熱い疼きをやり過ごそうと、太腿をもじもじと擦り合わせた。
「なんていやらしい声で啼くんだ─ユリアーネ、もっと、もっと啼かせてやりたい」
 エーベルハルトの声が一段と低くなり、彼の息が乱れているのを感じた。
 エーベルハルトは片手で器用に、ユリアーネの寝間着の結び紐をするすると解いてしまう。はらりと寝間着の前合わせが開き、ふっくらした乳房がまろび出た。
「あ、きゃ、やああっ」
 異性に裸体を晒すことなど、ありえない。
 羞恥と恐怖で、全身から血の気が引いた。
「離して、やめて、やめ……っ、あうっ」
 じたばたもがこうとすると、いきなり熟れ切った乳首をきゅっと強く摘み上げられ、痛みに悲鳴を上げる。
「─やめない、ユリアーネ。もう─止められない」
 じんじんする乳首を今度はあやすみたいに優しく撫でながら、エーベルハルトがのしかかってユリアーネの耳朶をくっと噛んだ。
「つぅ、あ、ぁあぅ」
 一瞬の痛みの後に、強い快美感が襲ってきて、ユリアーネは背中を弓なりに仰け反らせた。
「痛かったか?これはどうだ?」
 つつーっとエーベルハルトの濡れた舌が、耳朶の後ろから首筋を這い下り、肩口から鎖骨まで舐め回す。
「あ、ぁ、あぁ……」
 ぞくぞく背中が震える。肌が異様に敏感になっていて、熱いような寒いような形容しがたい刺激に、下腹部の奥のやるせないせつなさが膨れ上がる。
 エーベルハルトは滑らかな乳房の曲線を唇で撫で回し、硬く凝っている乳首を口腔に含んで、ちゅっと吸い上げた。
「はあっ、や、ああっ、あ」
 指で触れられていた時より、数倍も鋭く甘い刺激が襲ってきて、ユリアーネは甲高い嬌声を上げてしまう。
 エーベルハルトは咥え込んだ乳首にねっとり舌を這わせたり、前歯を立てたり、吸い上げたりと、緩急をつけて刺激してくる。
「う……く」
 はしたない声を上げまいと、目をぎゅっと瞑り必死に唇を噛み締めるが、我慢していると余計に隘路の奥がきゅんきゅんして、居ても立ってもいられない。
 恥ずかしいのに、いやなはずなのに、どうしてこんなにも感じてしまうのか、自分で自分の身体が理解できない。
「ああ、可愛い蕾がすっかり赤く色づいて─白い肌がうっすらピンクに染まってきて、なんていやらしくて美しいのだろうね」
 交互に乳首を舐めしゃぶりながらエーベルハルトが上目遣いで、こちらの表情を見つめてくる。
「やめ……て、言わないで……」
 頬を染めながら、首をふるふる振った。
「やめない─もっとあなたを感じさせて、いっそ壊してしまいたい」