立ち読みコーナー
目次
288ページ
訳あり令嬢の婚約破談計画   5
あとがき           282
194ページ~
「んっ、ぅ……んん……っ!」
 焼き切れるような絶頂に呑まれ、びくびくと体が跳ねた。それに気づいて、クラウスがようやく唇を離してくれる。
「は……っ、ぁ……は……っ」
 息が整わず大きく肩を上下させていると、クラウスが目元に深い笑い皺を刻んだ。
「気持ちよかったんですね。……可愛い、そんなに蕩けた顔をして」
 頬に、瞼に、鼻筋にキスを繰り返し、クラウスは最後にフィオナの唇にもキスをした。
「素直な貴女は本当に可愛い。可愛がりたい、もっと」
 たっぷりと吐息を含ませた声で囁かれ、フィオナは小さく目を瞬かせた。これ以上何をするのだろうと思っていたら、奥まった場所にまた指が押し入ってくる。
「あ……っ、ぁ……っ」
「さっきより濡れて、どんどん呑み込んでいきますよ」
 節くれだった指がずるずると奥まで入ってきて根元まで呑み込まされる。痛みはないが、少しだけ息苦しい。抜き差しされると肌の下で何かがうごめくような気配がした。
 覚えのある感覚だ。それも、つい先程知ったばかりの。
(あ……これ……)
 快感の前兆だ、と気がついて息を呑んだ。自分の体はそんなところでも快感を拾ってしまうのか。戸惑って身をよじろうとしたら、クラウスが顔を伏せてフィオナの胸に唇を寄せてきた。
「あっ、な、何を……」
 クラウスは視線を上げると、目元に笑みを上らせフィオナの胸の膨らみを唇で辿った。
「あ、あ……、ぁ、ん……っ」
 指を抜き差しされながら、羽毛で触れるようなキスを胸元に繰り返される。
 先程フィオナを呑み込んで、また遠くに引いていった快感の波がざわざわと戻ってきたようで体が震えた。怖いのではなく、期待している。
 入り口に指がもう一本添えられ、下腹部にぐっと圧がかかる。さすがに身を強張らせたら、胸の尖りにふっと息を吹きかけられた。敏感な場所に風が当たって意識が逸れた隙に、二本目の指もずるずると奥に入ってくる。
「あっ、あ……っ、んん……っ」
 微かな鈍痛を覚えたところで、たっぷりと唾液で濡れた舌で胸の先を舐められた。
 体に力が入って、中にいる指を締めつけてしまう。固い指の感触と、胸の尖りを舐められる快感で喉が絞まった。ゆっくりと指を出し入れされ、尖った先を吸い上げられて声が出ない。
「……っ、……ぁ……ぅ」
 強烈な快感に目が眩む。下腹部が熱く蕩けて、もう何がどうなっているのかわからない。
 ぐずぐずに溶けた場所を指の腹でこすられ、胸の突端を舐められて、次々と襲いかかる快感に意識が朦朧とする。覚醒を促すように胸の先を強く吸い上げられて背中がしなった。クラウスを受け入れた場所が痙攣するように震える。
「あ……、はっ……ぁ、あ……っん、ん」
「気持ちがいいですか?もっと奥?」
 ぐっと奥を突かれてのけ反った。肯定の言葉より明確な甘い声が溢れてしまい、クラウスがたまらなくなったようにキスを仕掛けてくる。
 上手く息ができなくて頭がくらくらした。下腹部でうごめくものがクラウスの指なのか、別のものなのかわからない。ぐっと圧がかかって鈍痛が走った。指を増やされたのだろうか。はっきりとせず目を開ければ、クラウスが食い入るような目でこちらを見ていた。
 額を汗が伝い、それが目に入ったのか軽く目を眇める。初めて見る、獰猛さを孕ませた顔だ。
 ふらふらと手を伸ばし、頬を伝う汗を指先で拭った。
 途端に険しい表情は掻き消え、クラウスは愛しげに目を細めてフィオナの手を取った。掌にキスをされ、フィオナも目を細める。
「あ……っ」